「ムーぽん」とは1999年4月にテレビ朝日系列でスタートしたアニメ。 テレビ朝日のマスコットキャラクターとして同局の強力なバックアップのもと放送されることに。 主役の「ムーぽん」は猫。そのまんま「ムー」とかしゃべる。 カタカナとひらがなが混ざった名前、ダミ声、なんと言っても猫であるところ …国民的キャラクター「ドラえもん」を意識した設定だと思って仕方がないのは私だけなのかしら… しかしムーぽんは単なる二番煎じのような底の浅いものではなかった。 子供を対象にした作品には似つかわしくない数々の特徴を持っているからである。 まずはストーリーの長さがたったの55秒。 一瞬でもよそ見をすれば内容を逃してしまう時間の短さ。 その時間のなさ故の強引で過激なストーリー展開。(参考画像→) 次に穏やかではないレギュラー陣の設定。 マドンナ的位置づけであるにもかかわらず、性格の悪さが売りのミーにゃん。 「バカ」と連呼する姿を子供に見せていいのかとハラハラしてしまう程だ。 次にゴロー。素性は謎でホームレス。段ボールの家で暮らす。 さらにその家が2度も火事に遭ってしまうどうしようもなさ。(参考画像→) クラスで「仲間はずれごっこ」という遊びをやってしまうところ。 そしてムーぽんの父おとーぽんが「うちの息子はバカでよかった」 と問題発言にもなりかねない台詞を…(参考画像↓) アニメでもドラマでも今やどこからクレームが来るかわからないと 表現には神経を配る昨今にしては、「ムーぽん」ほど過激で挑戦的なアニメはないと思う。 そして私はキャラの愛くるしさと内容の過激さがうまく合わさったこのアニメの 雰囲気にひかれてしまったのだった。 過激さのせいか、発見されにくいほど短い放送時間のせいか 「ムーぽん」はバックアップとは相反してブレイクする様子は伺えなかった。 2000年3月、放送終了…したかに見えたが 同年4月子供番組「ラボ・らぼーん」内で再スタート。 なにより衝撃的だったのが放送時間が5分に延長されたこと。 (但し「ラボ・らぼーん」が放送されているテレ朝と名古屋テレビだけ) 番組の中ででもムーぽんグッズを積極的にからめ、 テレ朝のムーぽんプッシュはまだまだ終わっていなかったようだ。 しかし、これまたどういうわけか、放送枠は徐々に短くなってしまい 以前の55秒に戻ってしまい、ついには11月、ストーリーの放送自体もなくなってしまった。 とても残念、復活の予定はあるのだろうか? 「ムーぽん」は万人に好かれるかどうかは別として、 一度つかんだ人の心は決して離さない強烈なアニメであるのだろう… |